スルガ銀行寄附 静岡県立大学一般公開セミナー
第10回社会福祉・医療事業の経営研究セミナー
(静岡と東京で)医療・介護保障と税の一体改革を考える
主催:静岡県立大学大学院経営情報イノベーション研究科附属 医療経営研究センター、地域経営研究センター
後援:独立行政法人医療福祉機構、一般財団法人医療経済研究・社会福祉協会 医療経済研究機構
協力:有限責任監査法人トーマツ
現在、国の重要な政策の一つとして「社会保障・税一体の改革」が進められています。ここには、私たち国民一人ひとりの生活全般に大きくかかわる制度改革が多く盛り込まれています。具体的には、年金、医療、介護、子育てといった4つの主たる社会保障の制度を維持するために、内容の見直しと、その結果として見込まれる経費増を、主として消費税増税により賄おうというものです。
ところで、これら社会保障4経費を金額でみると、1億人を超える規模の人口を有するわが国においては、大規模超高齢社会が進展していくと、医療・介護保障の経費をどのように賄うかが最大の問題となることがわかります。
厚生労働省が、今年2012年3月に公表した社会保障にかかわる将来推計によると、2012年度の場合、社会保障のために給付される費用は110兆円と見込まれ、このうち国の負担が約30兆円となります。ちなみに、国の一般会計は約90兆円ですから、社会保障給付費のほうが上回り、また、国の負担も一般会計の3分の1にもなって巨額です。そして社会保障給付費110兆円の内訳をみると、年金が約54兆円、医療・介護が約44兆円と、これらが大半を占めます。
ところが、今のまま大規模超高齢社会が進展していくと、2025年には年金約60兆円に対して医療・介護の給付費が約74兆円となって、比率が逆転すると見込まれており、経費がどんどんと巨額になって行く医療・介護保障の制度の維持可能性がもっとも心配されることになります。
これまでの経緯を振り返ると、政府は昨年2011年6月に「社会保障・税一体改革改正案」を決定し、政策を進める具体的なスケジュールを同年8月に公表しました。そして、この成案を基に、今年2012年1月に「社会保障・税一体改革素案」を決定し、2月には「社会保障・税一体改革大網」を閣議決定しました。この大網をもとに社会保障・税一体改革の関連法案が国会に提出されて5月から国会で審議が開始されましたが、6月に行われた民主党、自民党、公明党の三党による「社会保障・税一体改革」の修正協議が進められて6月下旬に衆院で可決されたものの、参院では8月中旬にようやく関連法案が可決されました。
このように紆余曲折した結果として、はたして社会保障制度の維持可能性がいかなる水準のものであるかがわかりにくいといわざるを得ません。なかでも、最大の経費を求められる医療・介護保障の制度の持続可能性について、いかなる担保がなされるのかは、医療・介護関係者のみならず、国民の多くが関心を寄せるところです。
本セミナーでは、この改革のために政府が設けた社会保障改革検討本部の事務局である内閣官房社会保障改革担当室長の中村秀一氏(前社会保障診療報酬支払基金理事長、元厚生労働省社会・援護局長、老健局長)をお招きして、社会保障・税一体改革の中の、特に医療・介護保障の改革についてご講義を願い、それに続き高原亮治氏(上智大学教授、元厚生労働省健康局長)と横山禎徳氏(社会システムデザイナー、元マッキンゼー・アンド・カンパニー東京支社長)をパネリストとしてお迎えして、暦年の本セミナーでのファシリテーターを務められて評判の高い橋本英樹氏(東京大学大学院医学系研究科教授)の進行によりパネルディスカッションを行いますので、どうぞご期待ください。
セミナー開催代表 西田在賢
開催概要
開催日:2012年(平成24年)11月24日(土曜日)午後3時から午後5時30分まで
会場:(本会場)静岡県立大学 大講堂 ⇔ (遠隔会場)東京国際フォーラム 会議棟7階
セミナープログラム
15:00~15:20
開会の辞
15:20~16:10
「(静岡で)社会保障と税の一体改革について考える」
内閣官房社会保障改革担当室長
中村 秀一
16:10~16:20
セミナー開催セレモニー
16:20~16:30
<休憩>
16:30~17:25
パネルディスカッション
「医療・介護保障と税の一体改革を考える」
【ファシリテーター】
東京大学大学院医学系研究科教授
橋本 英樹
【パネリスト】
上智大学総合人間科学部社会福祉学科教授
高原 亮治
東京大学エグゼクティブ・マネジメント・
プログラム企画・推進責任者
横山 禎徳
17:25~17:30
閉会の辞
募集概要
申込受付は終了しております。