第6回社会福祉・医療事業の経営研究セミナー
連携の時代の医療・福祉経営を考える
主催:静岡県立大学地域経営研究センター 現代社会福社経営研究会
後援:医療経済研究機構 独立行政法人福祉医療機構
一昨年2006年4月の診療報酬と介護報酬の同時改定はたいへん厳しいものでしたが、ほぼ同時期に衆院本会議の趣旨説明で審議入りした「健保法等改正案」と「医療法人等改正案」は約2ヵ月の審議へて6月の参院本会議で与党の賛成多数により原案どおり成立しました。そして、順次、法律が施行されています。すなわち、第五次医療改革です。
じつのところ、この改革にはかつてない大きなパラダイムの転換が込められていました。この4月から始まって混乱している後期高齢者医療制度は、従来からの医療財源の持ち合い方式に関する議論で、けっして本質的な考え方の転換ではありません。むしろ注目すべきは、医療の地方分権の促進です。昨年2007年4月施行の改正医療法により各都道府県に地域医療対策協議会が設けられましたが、最初の仕事は2004年に始まった医師の新臨床研修制度が引き金となって起こっている医師不足対策がメインの検討課題でした。しかし、次は医療の地方分権が課題となるでしょう。そこでは療養病床削減計画も取り上げられるでしょうから、介護機関にとっても深刻な経営問題となるはずです。
ちなみに、医療費には明らかに地域差があることが以前から指摘されていました。このことは都道府県ごとの疾病構造の差と医療提供体制の差が大きいからだと考えられます。そこで、都道府県単位での医療提供体制の見直しとともに、保険者についても都道府県単位で再編し、医療提供と保険財政の両方を都道府県単位で管理する姿が望ましく見えてくるわけです。ちなみに、このことが成りますと、診療報酬も都道府県単位で決定されることになり、つまりは、これまでの中医協がいらなくなり、代わって地域での社会保険医療協議会が生まれうるということで、このことは『新時代に生きる医療保険制度・・・持続への改革論』(薬事日報社、2004年)の中で私が説明しておりました。そして、そのことが現実味を帯びてきたわけです。
このような新しいパラダイムの時代に臨んで、地域単位での医療提供体制の見直しが進むので病診連携、そして機能連携が医療機関の経営にとって大きな課題となります。また、医療と介護は保険制度こそ違えても両者の連携は不可分なものになるはずです。すなわち、介護機関にとっても連携は経営の重要なキーワードとなるでしょう。
医療・介護機関の経営持続性を考える目的で始まった本セミナーの第6回目では、新しい時代の医療と介護の展望、そして、いよいよ始まる本格的な福祉経営人材養成講座の紹介、そして、静岡県で全国に先駆けて進む病診連携「イーツー(医-2)ネット」について実際の開発に携わった医師の説明に気鋭の医療経営研究者のコメントを交えて紹介いたします。
これまで同様に、病院・診療所、そして老人保健施設・特別養護老人ホーム等の父子市施設の経営管理者の方々、そしてまた関連産業に従事される方々には奮ってご参加下さるようご案内申し上げます。
現代社会福祉経営研究会 代表幹事 西田在賢
開催概要
開催日:2008年(平成20年)6月14日(土曜日) 13時から17時まで
会場:静岡県立大学大講堂
セミナープログラム
13:00~13:20
開会の辞
13:20~14:10
「わが国皆保険政策の歩みとこれからーその歴史・功罪・今後」
社会福祉法人恩賜財団済生会理事長
元厚生労働事務次官
幸田 正孝
14:10~15:00
「福祉経営人材養成の構想」
日本社会事業大学専務理事
前社会保険大学校長
宇野 裕
15:00~15:20
<休憩>
15:20~16:10
「先端を行く静岡市の病診連携の取り組み」
静岡市静岡医師会副会長
岡 慎一郎
16:10~16:50
コメンテーター<質疑応答を含む>
東京大学大学院医学系研究科教授
橋本 英樹
16:50~17:00
閉会の辞
募集概要
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