第5回社会福祉・医療事業の経営研究セミナー
変革の時代の医療・福祉経営を考える
主催:静岡県立大学地域経営研究センター 現代社会福祉経営研究会
後援:静岡新聞社・静岡放送 医療経済研究機構 独立行政法人福祉医療機構
健康保険と介護保険の両制度がファイナンスする社会福祉サービスを担う医療・介護機関の経営持続を考える目的で開催する本セミナーも5年目を迎えました。
さて、昨年2006年4月の診療報酬と介護報酬の同時改定は、いずれも厳しい緊縮財政方針でした。そのため2006年度の国民医療費は速報値で知る限り頭打ちとなり、介護保険の費用支出では前年度を下回るものとなりました。その結果、医療機関の倒産が目立って増え、病院の倒産については最悪の件数を記録しそうです。また、介護機関も収支の悪化が顕著であり、このような背景もあってコムスンの事件が表面化したものとも推察されます。もっとも、健康保険制度や介護保険制度を研究する者の間では、医療保険や介護保険の支出がいずれ頭打ちになることは、ほぼ確実視されていました。しかし、事態は利害関係者間の政治決着によるため、いつ頭打ちになるかは断言できませんでした。そして何よりも、国民医療費で33兆円、介護費用支出で7兆円と巨額であるため、政策立案者ですら、診療報酬・介護報酬の改定が及ぼす経済的影響について正確に把握できなくなっていると見受けます。
ところで、医療費や介護費用の伸びを急に止めることは、医療・介護機関の資金繰りの悪化を招き倒産につながりかねません。このことは医療・介護サービスの供給を滞らせることとなり、健康保険や介護保険の制度崩壊にもつながりかねません。
じつのところ、これら保険制度は、単に医療・介護サービスの提供にとどまらず、もし病気にかかっても、あるいは介護が必要な身になっても、何とかしてもらえるということで、国民の安心・安寧をもたらす社会のセーフティネットです。そのネットがやぶけて使いものにならなくなったとき、世の中の不安はいかなるものか。そのような事態到来を回避するためにも、医療・介護事業者の経営マインドの熟成が重要と考えて、社会福祉・医療事業の経営研究セミナーを開始しました。そして、多くの有志の方々の支援があって、第1回目『先行する病院経営改善事例に学ぶ』(2003/8/23)、第2回目『医療・福祉経営のベンチマークを考える』(2004/9/11)、第3回目『医療・福祉の経営持続性を考える』(2005/8/24)、第4回目『医療・福祉経営の人材養成を考える』(2006/10/14)と続きました。そして、第5回目を迎える今年2007年は上に述べたとおり厚生労働省が夏に発表した国民医療費速報値や介護保険支出動向によると昨年度は医療費・介護費ともに伸びが急停止したことが確認されました。いよいよ危惧される事態の到来です。この変革の波を乗り切るためには、医療・福祉の政策動向の展望が欠かせない。つまり、目の前だけでなく、その後に続く波にも注意が必要であると考えて、このたびのセミナーを企画いたしました。
これまで同様に、病院・診療所や、老人保健施設・特別養護老人ホーム等の福祉施設の経営管理者の方々、そして、関連産業に従事される方々にご参考になると考えますので、ぜひ奮ってご参加ください。
なお、本セミナーには、北は北海道、南は沖縄まで、全国からのご参加があります。そのため、昨年度から主催地とします静岡へ遠路からお見えになられる方には、たいへんご不便をおかけしました。そこで、今度のセミナーでは、地元静岡のスルガ銀行がご提供くださる東京の施設を使わせていただいて、地域経営研究センターが長年にわたって蓄積しました遠隔講義システムの技術を使った双方向通信によるセミナー参加を試験的に実施いたします。但し、東京会場は席数が限られますため、裏面の申込案内にございますような方法で参加者を選考いたします。
現代社会福祉経営研究会 代表幹事 西田在賢
開催概要
開催日:2007年(平成19年)11月3日(土曜日) 13時から17時まで
会場:(本会場)静岡県立大学 谷田キャンパス 大講堂 ⇔ (東京遠隔会場)スルガ銀行 ミッドタウン支店[定員30名]
※ 東京遠隔会場では、小山秀夫教授がファシリテーターとして控え、双方向より通信可能な遠隔講義システムにより、静岡本会場の映像・音声をオンタイムで配信いたしますので、両会場で質疑応答が行われます。
参加費:無料
※地域経営研究センターは支援企業の奨学寄附金等により運営されており、今回はスルガ銀行様のご支援により、二つの会場を結んだ公開セミナーを実現いたしました。
セミナープログラム
13:00~13:20
開会の辞
静岡県立大学学長
西垣 克
13:20~13:50
「制度変革の時代と医療・福祉の事業経営・・・セミナーの趣旨説明に代えて」
静岡県立大学教授
地域経営研究センター長
西田 在賢
13:50~14:00
【 東京遠隔会場 中継 】
静岡県立大学教授
経営情報学部学部長・大学院研究科長
小山 秀夫
14:00~14:30
「医療・福祉の変革について」
国立循環器病センター運営局長
梅田 勝
14:30~15:20
「障害者自立支援法が目指すもの」
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
精神・障害保健課長
福島 靖正
15:20~15:30
<休憩>
15:30~16:30
「平成20年度 診療報酬改定に向けて」
厚生労働省保険局医療課企画官
宇都宮 啓
16:30~16:55
【 質疑応答 ~静岡本会場と東京遠隔会場を結んで~ 】
【静岡本会場ファシリテーター】
国立循環器病センター運営局長
梅田 勝
【東京遠隔会場ファシリテーター】
静岡県立大学教授
経営情報学部学部長・大学院研究科長
小山 秀夫
16:55~17:00
閉会の辞
静岡県立大学教授
地域経営研究センター長
西田 在賢
募集概要
申込受付は終了しております。