第3回社会福祉・医療事業の経営研究セミナー『医療・福祉の経営持続性を考える』

主催:現代社会福祉経営研究会 代表幹事 西田在賢
後援:矢野経済研究所、ビジネス・ブレイクスルー大学院大学、医療経済研究機構

 介護保険制度の発足は高齢者医療費の一部を転嫁することになりました。このような状況下で、本セミナーもようやく3回目を迎えます。
 さて、最近、わが国の医療界では医療機関における「経営戦略」という言葉が流行り始めています。意味は、今後の経営方針といったくらいの軽い意味合いのようです。しかし、医療機関における「経営戦略」という言葉にやや疑問が残ります。それは、企業における戦略的経営立案においては、競合他社と比べて自社の強みと弱みを分析し、限られた経営資源を活かして強みをさらに強化するか、弱みを補填するかを考えます。このようなプロセスの繰り返しは合理的な経営を促進する反面、同業との競争を激化させます。わが国医療機関においても、合理的な資源管理に努力するという経営は市民の歓迎するところですが、どもすれば競争だけが先行して、市民の生命の安全や安心が後回しにされかねない危うさがあります。同様のことが、介護福祉施設事業でもいえます。
 そこで、医療・福祉の事業経営の場合には、どのようにすれば経営合理化と安全性担保とが同時にかなえられるかを考えるなかで「経営持続性(management sustainability)」という言葉が浮かびます。つまり、医療・福祉事業者は、市民のために今日明日の医療・介護アクセスを約束する社会的使命を担うという立場から自らの施設の持続的経営にかける意思を訴えてサービス消費者である市民から指示される事業経営を模索し、さらには市民の納税と強制保険によって成立つ政府医療・介護の保険財政に対して医療・福祉事業を持続させるための制度的配慮を求めうると考える方です。
 このようなことから医療・福祉事業の経営について研究した成果を広く普及させたいというのが本研究会の趣旨です。そして、本年度は20年前に同様な志から医療経済研究という形で先駆的な勉強会を持たれた先輩の先生方に近年のお取組みについてお話をいただき、後に続く中堅・若手研究者たちがこれら先輩のご指示による題目で研究発表し、来場の皆様方と討議する場を持ちたいと考えております。
 主催者といたしましては、本セミナーが医療・福祉事業に限られる方々の施設事業経営を続けるヒントをご提供できれば幸甚と考えます。なお、会場準備の都合で定員を100名程度に限らせていただきますこと、どうかご了承ください。

開催概要

開催日:2005年(平成17年)8月24日(水曜日)午前10時から午後4時まで
会場:学士会館講堂 (東京都千代田神田錦町3-28 :地下鉄神保町駅から徒歩3分)
参加料:20,000円(資料代と昼食代を含む)

セミナープログラム

10:00~10:20

開会の辞「医療・福祉機関の経営を持続すること」

武蔵野大学大学院教授
岡山大学大学院医療経済学担当客員教授
西田 在賢

10:20~11:10

「医療・福祉の経営と第三者評価」

上智大学教授、医療機能評価機構理事
元厚生労働省健康局長
高原 亮治

11:10~12:00

「自治体病院を持続させる『病院経営ことはじめ』」

宮城県病院事業管理者
元東北大学医学部長
久道 茂

12:00~13:00

昼食(会場にて弁当をご用意いたします)

13:00~13:50

「持続可能な医療保険制度を考える」

京都大学教授、経済学部長
西村 周三

13:50~15:20

中堅若手研究者発表

矢野経済研究所主席研究員
【司会】遠藤 邦夫

「日本版診断群分類DPCの考察」

帝京大学医学部助教授
橋本 英樹

「福祉医療機構における経営分析・・・特養の経営から」

独立行政法人 福祉医療機構企画指導部経営指導課長
土屋 敬三

「専門医需給問題についての考察」

UFJ総合研究所保健・医療・福祉政策室長
野口 正人

15:20~15:50

セミナー質疑応答

帝京大学医学部助教授
【司会】橋本 英樹
講師全員で回答

15:50~16:00

閉会の辞

武蔵野大学大学院教授
社会福祉法人至誠学舎東京理事長
阿 和嘉男

募集概要

申込受付は終了しております。