令和元年広島県内公的病院経営トップアカデミー
病院経営幹部人材養成プログラム・院長編
県立広島大学HBMS地域医療経営プロジェクト研究センター企画・実施
一般財団法人 社会福祉・医療事業の経営研究会 開催
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本企画の目的は、地域の医療を守るため公的病院等の経営力を高める段取りについて病院のトップに考えて頂く機会を提供する事にあります。
日程及びプログラム内容
病院経営の最も基本的な外部環境である人口動向等をはじめとする社会の変化のもとで地域の医療を守るために公的病院等の経営力を高める段取りについて考えていただきます。
そのために先行して医療経営人材育成に取り組む東京大学のプログラム冒頭の講義「医療経営の原理」のご紹介と内容の一部について掘り下げた解説をいたします。
そのあと厚生労働省の現役幹部の方から、今進む公立・公的病院等の再編問題に密接に関係する医療介護総合確保推進施策の捉え方についてお話を伺うとともに意見交換をいたします。
そして最後に横山禎徳 HBMS研究科長(元マッキンゼー東京支社長)から社会システムデザイン論に基づいた医療システム経営の総括的な捉え方を紹介していただき、公的病院の生き残り戦略について各々で考えていただきます。
セミナープログラム
・医療経営の原理…ビジネスドメインについて
・社会保障政策における地域医療構想の重要性
・地域医療構想と地域包括ケアシステムはつながる
・医療システムのデザインとマネジメント
これからの公的病院の経営にとって欠かせない経営概念となる アカウンティングとアカウンタビリティについて説明いたします。そのあと前回に引き続き、病院経営で重要な外部環境となる国の制度・政策の動向分析として、近年の重要政策「医療介護総合確保推進法」の柱の一つ「地域医療構想」についてさらに深く理解するために、地域医療構想の立案を指揮された事務系と医系の それぞれの局長にお揃いいただき、ご解説をお願いいたします。そのうえで広島県の地域医療構想の現況について県の担当トップからご解説とご意見をいただきます。本日は質疑応答の時間を 十分にとっておりますので、自院の将来に向けて皆様方各々から率直で忌憚のないご意見を交換していただきたく存じます。
セミナープログラム
・医療経営の原理…アカウンティングについて
・地域医療構想と病院経営のあり方について
・支払基金の改革そして医療費適正化について
・なぜ広島県の地域医療構想は・・・なのか
公立病院改革の重要な経営形態の見直し策である非公務員型地方独立行政法人化の取組みが全国で試行錯誤される中、このたび第1期中期目標期間において高い評価を獲得した地方独立行政法人静岡市立静岡病院の経営とアカウンティングの実際についてご紹介します。
同病院は1869年(明治2年)設立の藩立静岡病院を始まりとする歴史の長い公立病院で先般150周年の記念の年を迎えられましたが、じつは2016年度に地方独法に移行し、第1期中期目標期間(2016~18年度)の各年度に経営の専門家のみならず地元医師会や市民の代表が揃う評価委員会において様々な角度から質問を受ける中で独法の経営陣は納得のできる説明、すなわちアカウンタビリティを果たし、今2019年度に行われた中期目標期間の総合評価においても高い評価を得ました。今回は同法人の元病院長兼理事長(現理事長)、そして元副理事長兼事務局トップ(現理事兼経営戦略室長)を務められたお二人をお招きして、同病院が取り組んだ公的病院経営の実際について詳しく話を伺います。そして続けて広島の医療体制に知悉する厚生労働省幹部の方から、地域医療構想が公的病院経営に及ぼす影響についてお話をしていただきます。そして最後に、全国の病院を対象に活躍する経営コンサルタントの方に、一連の医療改革を反映させる2020年4月の診療報酬改定に関する最新の情報と解説をお願いして本アカデミー参加病院の経営の課題と方向性について考えを整理する機会といたします。
セミナープログラム
・イントロダクション…学びの復習を加えたわが国病院の独法化について
・市立静岡病院の独法化と地域医療構想
・独法化にかかる説明責任と業務実績評価について
・医療改革の動向と政策が公的病院の経営に及ぼす影響について ほか
医療経営原理の講義最終回では、かつて米国が経験した長い不況時の深刻な事業不振から脱することに成功した企業の経営取り組み事例から導き出した事業再生の方策を説明するリエンジニアリングについて説明します。じつは米国では昨今に至ってもこの考え方を病院経営に取入れたHospital Reengineeringのテキストが発刊されています。他方、日本では90年代半ばに米国からリエンジニアリングを紹介されたとき、当時の社会状況もあってリストラと同じに受け取られ研究が発展しませんでした。今回改めて「リエンジニアリングすなわち事業の再設計」の方策をご紹介いたします。その上で人口減と高齢化が進むなかで公的病院事業の経営形態の見直し、すなわち事業再設計を考える参考として、2013年に全国で初めて隣接市の市立病院同士が施設と経営の両方の統合を果した中東遠総合医療センターの事例について、実際に同センターの設立事務局の幹部として携わった方から経験談をお聴きします。続いて、病院事業に欠かせない経営人材について、今2019年度から始まった東京大学における大学病院の経営幹部養成プログラムの運営管理を担われる東京大学大学院医学系研究科教授から、初年度のプログラム成果などの話しをお伺いします。そして最後に県立広島大学ビジネススクールHBMS研究科長の横山禎徳氏(元マッキンゼー東京支社長)から、長年にわたって研究される社会システムデザイン論にマッキンゼー社の事業再設計コンセプトRedesign (リデザイン)を加えた日本の公的病院の事業再設計の考え方を披露していただきます。
セミナープログラム
・隣接市の二つの市立病院を一つに統合した事務局責任者の体験談
・東京大学が試みる『経営ができる大学病院幹部養成プログラム』の紹介
・医療システムのリデザインとマネジメント
募集概要
申込受付は終了しております。
報告
「広島県内公的病院経営トップアカデミー」を全4回開催
HBMS 地域医療経営プロジェクト研究センターの企画請負形式による「広島県内公的病院経営トップアカデミー」を全4回(毎月第2土曜日、10:30-17:50、90分講義×4回+ランチョンミーティング)にわたり開催いたしました。
本企画は、「地域の医療を守るため公的病院等の経営力を高める段取りについて病院のトップの皆様に考えて頂く機会を提供すること」を目的に、オブザーバーを浅原利正(広島県病院事業管理者)、木倉敬之(元厚生労働省保険局長)、田中 剛(広島健康福祉局長)、土井博雄(広島赤十字・原爆病院名誉院長)、山口 昇(公的みつぎ総合病院名誉院長)[敬称略、五十音順]にお願いして、公立・公的病院の病院長等の方々(12名)にご参加いただきました。